EVANGELION X SPEAR OF LONGINUS

ちょっと前回は口調が全然面白くなかったので、もうちょっとくだけた感じで解説したいと思います。

さあ、エヴァだけでなくRPGのアイテムとしてよく登場する(らしい)ロンギヌスの槍。かっこいいですよね。実はこれも聖書的な背景があります。

槍が登場するのはイエス・キリストが十字架にて処刑されている時です。あるローマ兵がイエスの生死を確認するために脇腹を槍で刺した。すると、血と水が分離して出てきて、イエスの死を確認した。これはヨハネの福音書19章34節に書かれています。そして、その槍の持ち主がローマ兵のロンギヌス。ここまでは他のサイトでも書かれていますね。

ロンギヌスという名前は聖書には出ていなく、これまた伝統でのちに名前が挙がったのです。

ここまでわかって一つ疑問があるはずです。


なぜイエスの生死を確認しなければならなかったのか。


そう、すでにイエスは磔刑の最中です。最終的には必ず死にますから、確認なんてする必要がないのです。でもそうした理由は聖書を読めばわかります。先の箇所の少し上、ヨハネの福音書19章31-33節をまず読んでください。少し背景を説明します。

「安息日」

これは一週間あるうち、一日を休息のためにとっておく日のことです。まあ、日曜日みたいな感じです。理由としては毎日仕事で頭がいっぱいになってしまうため、一日仕事をしない日を定め、仕事を頭の中から追い出します。すると、神様を礼拝する時間を確保できます。このため、神様自身がこれを定め、ずっと守られてきました。ちなみに「特別に重要な日」というのは過越の祭のことです。

「一日の数え方」

今の暦とは違い、ユダヤ暦での一日は「日没から日没」です。日付が変わるのは深夜ではなく夕方あたりです。

別の福音書、マルコの福音書を見ると、イエスの処刑が始まったのは今の時間で午前9時ごろとわかります。日付が変わるまでまであと8時間ほどしかありません。この日の翌日は安息日です。磔刑って意外と時間がかかるので、ピラト(責任者)らは焦っていたのです。安息日は神聖な日ですから、イエスが十字架にかかったままは嫌だったのです。その日は「仕事」をしてはいけませんから、イエスはそのまま十字架に一日かかったままになってしまうからです。


で、焦っていたわけですからイエスと共に磔刑にされていた2人の足の骨を折ったのです(イエスはすでに亡くなっていたので折られなかった)。骨を折るのには理由があります。十字架に磔になると、重力に逆らって体を支えているのは両手のひらと足の甲に刺さっている釘3本だけです。当然体は重力によって落ち呼吸が苦しくなります。そこで呼吸するために足で体を押し上げ息を確保します。処刑されている人は死ぬまでこれを繰り返します。足の骨を折られると体を押し上げることができず、処刑時間が短縮されます。


しかし、イエスの足の骨は折られませんでした。これはなぜなのか、なぜわざわざこのことが書かれているのか。これは先の箇所の後、ヨハネの福音書19章36-37節にある通り、イエスに関する預言を満たすためでした。特に旧約聖書にはたくさんの預言があり、中でもイエスに関するものも多くあります。もし「なんでこんなこと書いてあるの?」と思うようなことがあれば、それは預言を満たしましたよーっていうことかもしれませんね。

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